さっそく見てきました。
1900円は高いから、今度の水曜日仕事終わりに映画館寄ってみようとしてたけど、歩いててふと目の前の映画館の広告にノマドランドだったので、昨日読んだ原作の熱が醒めぬうちと思っていきました。
良かったです、ただ原作よりもさらに鬱屈してて、すごい憂鬱な気持ちで映画館を出ました。
憂鬱にしてくれる映画は、いい映画なんですよ。
原作はジャーナリストが書いていて、文字から匂い立つ車上暮らしがリアルにせまってきましたが、映像にされるとさらに荒んでます。
原作では、白人の特権階級について言及していましたが、映画では特にありません。
ただ、なんだろう、底辺でないし、悲壮感はあっても、お金はなくともいいもん食っていいもの使う力みたいのは、やっぱ貧乏であってもほかの選択肢もあるけど、あえてこれを選んでる感じ、切羽詰まってるけど生命の危機みたいのはないというか、なんというかキャンプしてる感じで、吐き気を催す感じがないのが、映像からでも伝わってきます。
ホームレスとかスラム感とか一切ないです。
歌舞伎町の映画館でみたんだけど、映画館出てからの、あの歌舞伎町の肥溜め、掃き溜めの空気のほうがよっぽどきついものがあります。
映画終わってなんとなく憂鬱な気持ちになってたところを、歌舞伎町の掃き溜めの空気に包まれたら、まじ吐き気がしましたね。
なんつうか、湿気がちがうんです。
ノマドランドがホコリなら、歌舞伎町はカビって感じですね。
そんなとき、見上げたところにスクリーンがあって、今週の7位、Dynamiteとかいって、MVが流れてるんです。
なんか一瞬、あれ?神かな?って思う程でした。
そのときだけ歌舞伎町が、空気清浄されてました。
荒んだわたしは彼らに救われたかと言えば、かえって具合悪くなりました。
そのクリーンすぎるさわやかさに、鬱屈した気持ちはあまりにもまぶしすぎるのです。
質というか、分子レベルで、細やかさみたいなのが街中にあふれるホストの動画や広告とあまりにも違うので、解像度が100倍違う世界にいる気分になってめまいがするのです。
ミュージックビデオは基本的にいちばん綺麗なものを、最高純度で抽出した、世の中の汚い部分を徹底的に濾過したものでありますから、それも当たり前です。
その一方で、彼らとファン、彼らと客、その違いは一体なんだろう?とも思います。
あれ!ノマドランドの話どうしたよ。
なんかもうとにかく疲れました。
くつろぐはずの三連休が、ノマドランドによって重みが持たされてしまいました。
でもこれも醍醐味なのです。
コメント